列車で越えるイタリア・スロベニア国境

 イタリア・スロベニア間の国境越えは主に2通りあり、国境の町ゴリツァで、徒歩で越境するか、イタリアの町トリエステから、スロベニアの首都リュブリャナまでバスで移動するのが一般的です。ただ、列車の本数は大変少ないものの、トリエステからリュブリャナまで、国際列車で移動することもできます。なんとこの列車、鍾乳洞で有名なポストイナにも停車するため、時間が合えば大変便利。車窓に流れるカルスト台地をみながら列車に揺られるのも、なかなか乙な物です。

 

1.列車の本数は?

 2018年12月2日現在、トリエステリュブリャナは1日3本、リュブリャナトリエステは1日4本設定されています。所要時間は大体2時間30分です。時刻はユーレイルのHPから確認できます。

 

www.eurail.com

 

2.どんな列車?

 車両はイタリアの鉄道会社トレニタリアの最新型近郊電車です。窓も大きいため、アドリア海も、スロベニアカルスト台地もきれいに見えます。もちろんトイレも完備。大変清潔です。

f:id:Antonov-24:20181201171519j:plainトリエステ出発後は、しばらくアドリア海沿いを走ります。ハプスブルク家の城があるミラマーレのそばから、支線に入り国境に向かいます。

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3.国境では?

 イタリアもスロベニアシェンゲン協定加盟国ですのでパスポートチェックは一切ありません。ただイタリア側の国境駅で20分ほど停車します。この駅で、私は簡単なアンケートに協力するように言われました。内容は、スロベニアへ行く目的と、国境を越えるとしたらバスと列車のどっちを選ぶか、といったものでした。列車に乗っている人に聞いても・・・とは思いますが。しかしかつての鉄のカーテンを、外国人が気軽に越えられるようになったことはすごいことです。

 

4.国境を越えるに当たって

 とくに注意することはありません。車内はがらがらですし、寝ていたって大丈夫なぐらいです。ただ、いくつか留意しておきたいことはあります。それは

スロベニア鉄道は車内検札が厳格であること。

 
 特にイタリアからユーレイルパスで行かれる方注意が必要。イタリアでは長距離列車に乗っても検札がこない、なんてことはざらですが、スロベニアではとっても厳しくチェックされます。列車に乗ったら、使用日付欄、移動行程表への記入が済んでいるか、念入りにチェックしてください。ちなみに、ありがとうはスロベニア語で「ファーラ」といいますので、是非使いましょう。愛想よく返事してくれるはずです!

f:id:Antonov-24:20181202213059j:plain初めて右側の欄に日付スタンプを押されました。イタリアが適当なだけだったのかも?

 
 
他にも注意しておきたいことがあります。それは車内放送がないこと。
 
 
 終点のリュブリャナトリエステまで行く場合は全く問題ありません。しかしながらポストイナなどの途中駅で降りるときはちょっと注意です。前述の通り、この列車はトレニタリアのもの。なんと、スロベニア内では車内放送がないのです。場合によっては車内の電光掲示板がつかないことも。時刻表で大まかな到着時刻を確認しましょう。

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5.車内の楽しみ方

 この列車、とっても乗っていて楽しいです!アドリア海も、カルスト台地特有の白い大地も美しい。スロベニアの古城が、遠くの山の頂にそびえているのも見えます!それだけではない。スロベニアは小さな田舎駅はイタリアと違ってお花で飾られたりしていてかわいらしいのです。また結構な頻度で蒸気機関車が展示されている駅があります。

f:id:Antonov-24:20181202204001j:plainかわいらしいスロベニアの小駅

 

f:id:Antonov-24:20181202204105j:plainポストイナ駅の蒸気機関車

 

6.スロベニアの首都リュブリャナ

 リュブリャナ駅は2つありますが、終点まで乗るのが正解です。リュブリャナは至って治安がよい!まず、駅前に自販機があります。イタリアから来た私はびっくり!町全体は小さいのですぐ回れます。とってもきれいで素敵な町です。

 

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f:id:Antonov-24:20181202210311j:plainかわいらしいスロベニアの近郊列車。1983年製です。ユーゴスラビア時代を知っているんですね!

 

スロベニアリュブリャナ旅行記はこちらです。

antonov-24.hatenablog.com

 

7.アドリア海の港町トリエステ

 国境を越える際に、トリエステの町を素通りされる方が多いですが、ちょっと待ってください!1920年までオーストリアハプスブルク帝国支配下にあったトリエステは、まるでウィーンを海のそばに持ってきたかのような町並み!かのフロイト先生や、「サウンドオブ・ミュージック」のトラップ大佐が居たこともあるこの町も、是非観光してみてください!

f:id:Antonov-24:20181201172027j:plain美しいトリエステの町並み。サンジュストの丘から。

f:id:Antonov-24:20181201172946j:plainハプスブルクの女帝マリアテレジアがつくらせた運河

f:id:Antonov-24:20181201173540j:plainこれぞオーストリア!といった感じの町並み!

 

トリエステ旅行記はこちらになります。

antonov-24.hatenablog.com

antonov-24.hatenablog.com

 

8.おわりに

 スロベニア人もイタリア人も、とっても優しいし、町並み、教会もすばらしいので是非、どちらか一方を旅行する計画を立てている方は、隣国にも少し足を伸ばしてみてください!きっと素敵な旅になるに違いありません!!