奄美 路線バスの旅① 奄美大島の木造教会と龍郷町を散策

結局、台風は奄美大島でやり過ごすことに。午前中はかろうじて外に出られたので、名瀬市立博物館に行き、午後はホテルに閉じこもっていました。そして翌日。いよいよ奄美大島路線バスの旅を再開します。


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台風一過で天気は快晴。ところが飛行機は欠航しているし、船は4日後まで出ないので観光します。向かったのは龍郷町西郷隆盛の旧居跡があるというので行ってみました。


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なんか有名な洞門らしい。しまバス(旧奄美交通)の最寄りのバス停が「円」なのに思わず吹き出してしまいました。


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まあ行ったはいいけど台風明けなのか臨時休業。そもそも今もまだ人のおうちみたいです。


仕方がないので石垣越しに中の様子をうかがっていると、地元の方が声をかけてくださいました。


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おじさんにつられてやって来たのは近所の墓地。西郷隆盛の妻、愛加那の墓だそうです。愛加那は姓を田畑と名乗っていましたが、実は琉球由来の龍というのが正式な名字だとのこと。


西郷隆盛奄美大島に来たのは薩摩藩の命によるそう。なんでも安政の大獄の際に幕府に追われていた隆盛を、薩摩藩は死んだことにして密かに奄美大島に逃したとのこと。「藩を代表して来たから隆盛は威張り散らかしていたんだよ~。西郷隆盛は謙虚な人なんてイメージがあるけど、ここでは妾も3人いたし、大河ドラマなんてうそっぱち」とおじさん。そういう裏話おもしろいなぁ。


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西郷が威張り散らかしていた道。


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「島のブルース」の作曲家、渡久地政信さんが移り住んだのもこの龍郷町なのだとか。僕よりも相当上の世代じゃないと分かりませんね。


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うん、移住したい。



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歩いていて偶然見つけた漁師の直営店で昼食。


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奄美大島にはたくさん教会があります。開国前まで仏教も神道もあまり定着しておらず、明治期に宣教師が積極的に活動したため、信者が今でも多いそうです。


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なかでも明治期にやって来たブイジュ神父は人格者であり、島のために一生を捧げました。


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今でも島民の信望は厚く、花が絶えることはありません。


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ブイジュ神父が着任した瀬留教会です。


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明治期の木造教会が残っているのも凄いはなし。


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続いてやって来たのは園家のお屋敷。密林をひたすら歩いてせっかくやってきたのにまさかの休業??まあ古民家の台風対策をみることができたからよしとするか。それにしても板を頑丈に固定して飛ばないようにしています。


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奄美の海はやっぱり綺麗。もう1週間ぐらいいますが全く飽きません。


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ただこういう道はハブが出そうなので勘弁です。


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龍郷からバスで名瀬へ戻ります。せっかくなので名瀬の「拝み山」に登ることに。市内が見渡せます。沖合の島に神様が降り立ち、神様が集落を通って裏山に宿る、これが奄美の集落の成り立ちと土着信仰であると博物館に書いてありましたが、ここに登るとそれが分かる気がします。沖に浮かんでいるのが信仰対象の立神とよばれる島。


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山の上には本土復帰記念碑がありました。


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日教組の建物に「日本復帰の歌」が掲げられているのも奄美らしいのかも。


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晩ご飯は島の名物の豚煮。さすがに3日も滞在していると名瀬に行きつけの店ができてしまいました。


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