万葉まほろば!日本最古の大神神社と山の辺の道

ここ1週間ばかり、ゼミ発表の準備に追われていました。オンライン発表には慣れておらず試行錯誤でしたが、課題も終わったので、今日は久しぶりの旅行記です。一度は行ってみたかった、日本最古の神社、奈良県の大神(おおみわ)神社に行ってきました。


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大和国一宮であるこの神社の祭神は大物主神(オオモノヌシノミコト)。古事記には出雲国を作り上げたオオクニヌシの「幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)」と同一との記述があります。神様の魂が、さらに神様であるってことですかね?


心理学者の立場から神話を研究した河合隼雄によれば、日本神話では一貫して均衡性が重視されており、出雲国オオクニヌシの魂が大和国の中心ともいえる三輪に祀られているのはそのためなのだとか。それはともかくとして、日本を語る上でかかすことのできない、歴史ある由緒正しき神社です。


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ご神体は、この三輪山であり、本殿がありません。


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したがって、こちらの拝殿を通して山を拝む形を取ります。日本古来の神祭りの姿を今にとどめているのだとか。ちなみに拝殿は徳川家綱が1664年につくらせたもの。


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広い境内の中にはいくつもの枝社があります。こちらは久延彦(くえひこ)神社。祭神の久延毘古命古事記の中で、世の中のことをことごとく知っている神とされており、それゆえ知恵の神様とされます。


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また摂社の狭井神社は病気平癒の神様として知られており、多くの参拝客がいました。この神社の裏手にある薬井戸は万病に効くとされ、ご神水を頂戴できます。


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そして境内を横切るように、古代の国道1号線こと、山の辺の道が走っています。今回は天理までの15キロを歩いてみることに。


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大神神社から歩くこと20分、林を抜けてやって来たのは檜原(ひばら)神社。


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祭神は天照大神。元伊勢とされるとおり、伊勢神宮よりもその歴史は古いです。


ちなみに元伊勢と言えば大江山の元伊勢内宮皇大神社もその1つ。
antonov-24.hatenablog.com


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この三ツ鳥居というのも格式高いらしい。


ちなみに20年も前の漫画ですが、民俗学好きとして気に入っている「もっけ」という漫画があります。主人公姉妹の名字はこの神社からとっているのだとか。


これ、フツーの漫画ではありません。誰か他の人も言っていたけど、「もはや民俗学の研究書」みたいなもの。民間信仰や憑きものについて、入念に調べ上げたうえで描かれています。ストーリーも面白いし(最後の伏線回収はびっくりした)、神仏や憑きものについての作者の解釈も興味深い。もっと評価されてもいいと思うんだけど...。


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今の時代は「妖怪を手なずける」みたいな刺激的な話じゃないと、うけないのかな?


サブカルゼロ年代(2000~09年)が一番好きなんだけど、自分も年をとったか(笑)


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檜原神社を出て、再び山の辺の道をひたすら北へ。


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だいぶ前に父親と来た気がする。小学生のころだったか?日本の原風景がのこっている感じがしてすごく感動したのを思い出した...。


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大和盆地が見渡せて気持ちいいし、古社もあれば古墳もあって、歴史ロマンを感じます。


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う~ん、やっぱり新緑シーズンは好き。三輪山も美しいな。


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道祖神もあれば、


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古い町並みもあり。


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コロナの時期で人がいないかと思いきや、結構みんな歩いていました。関西はだいぶ落ち着いてきた感はあるけど、まだマスクは欠かせません。


海外は無理でも、また思う存分旅行したいな。今は我慢我慢。


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コケコッコーという鶏のケタタマシイ鳴き声が聞えたら、もう天理市、ゴールの石上(いそのかみ)神宮です。天岩戸伝説で重要な役目を果たす鶏は霊鳥なのだとか。


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ちなみにここの鶏はみんな日本固有種。なんと飛べるし、木の上で眠るそう。


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拝殿は国宝。鎌倉時代かそれより前のものらしい。どこかで見たような気がしたが、そういや京都の石清水八幡宮の造りそっくりだ。建立の時期的にも同じなのかな?


これにて山の辺の道ハイキングは終了。ハイキングというほどの高低差はないけど、ちょっとアクセス悪いかなぁ。桜井線は本数少ないし。京都からいく分には近鉄ですぐなんですが。檜原神社の御守買ったから来年も行かねば。