対馬からフェリーを乗り継ぎ神戸まで

九州郵船のフェリーがドック入りで、普段は唐津壱岐を結ぶ「エメラルドからつ」が臨時代船に。ところがこの小型船では厳原から博多まで他船が5時間のところ、6時間も要します。そのため出発時間も早められました。朝、秀吉が築いた山城に行こうかと思ったけど、乗り遅れたら大変なので、素直に厳原の町を散策するのにとどめます。


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朝夕の運用で、いすゞキュービックという古い形式のバスが厳原まで来ます。対馬交通も物持ちいいなと思ったけれど、よく考えれば九州は全般的に昭和のバスだらけです。


ちなみに、この道は朝鮮通信使が通った道。使節団のために道幅の大きな道路を作り、江戸時代は日本一大きな道路といわれました。今も道幅は変わりません。



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八幡宮神社は昔は海岸線のそばにあったらしい。神功皇后三韓討伐の帰途、ここで神々を祭ったとか。歴代藩主の崇敬も篤かったらしい。


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とはいっても度々引用している『対馬神社ガイドブック』では、海神を祭る名神大社和多都美神社だったが後に神功皇后が祭神となったとあるし、確かなことは分かりません。


元寇の時、宋氏は下対馬の小茂田というところでモンゴル軍にほとんど準備することなく乗り込み、殿様以下家来全員非業の死を遂げた悲しい過去があります。勝手な推測ですけれど、そのこともあって軍神として神功皇后を祀るようにしたのではないでしょうか。いずれにせよ古い社であることには変わりありません。



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江戸時代の港の石垣が残っていました。しかし今にも崩れそうなんだが大丈夫?


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よりによって小型船。玄界灘揺れないかなぁ。


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土曜日朝8時発のフェリーなので、ほぼほぼ貸し切りかと思いきや、長崎県の小学生のスポーツ交流と某旅行社の「壱岐対馬ツアー」の団体に当たってしまい、小さな船なのに大混雑。たまりかねたのか地元の人が「アップグレードないの?」と受付で聞き直していたけれど、代船なので2等桟敷しかない。おまけに小学生は船内で鬼ごっこやりだす始末。元気なのはいいけど、このあと試合あるなら体力温存せなあかんやろ(笑)



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というわけで、にぎやかな船は厳原を離れ、経由地の壱岐に向かいます。


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崖がそのまま深海に落ち込んでいるというイメージ。


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写真左が厳原がある下対馬。右の方に連なっているのがはじめに訪れた上対馬。こうみると広大ですね。我々は正確な日本地図を知っているわけだけれど、初見で島だと気づかなかった古代人も大勢いるのでは?


心配した船の揺れですけれど、まぁ揺れたけれど酔うほどではなかった。行きが異常だっただけみたい。それより初冬の玄界灘は寒すぎて、甲板に立つだけで大変だった。


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フェリーやらタンカーやら護衛艦やらさまざまな船が洋上を行き交います。


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対馬を出てからすぐ、壱岐が見え出しました。防人が対馬で上げた狼煙を本当に壱岐でキャッチできるのか疑問だったけれど、これほどの近さなら不可能ではないでしょう。



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位置情報使って沖ノ島見えるか探して、壱岐入港前にかすかに見ることができました。沖ノ島は洋上を行く船の目印として、また無事な航海の守り神として機能したのでしょう。確かに、大海原の中に突き出たその島影は、どこか神さびて見えました。


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しばらくすると小呂島(おろのしま)が見えます。市町村合併で福岡市なのですが、福岡からは40キロ離れているし、むしろ長崎県壱岐の方が近い。人口もわずか190人。定期便が1日1本しかないらしいのですが、福岡市議選の集計とか即日開票大変そう。



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やがて船は壱岐の芦辺港に接岸。ここで小学生と団体ご一行が下船して、用意されたバスに吸い込まれていきました。そして同じ船とは思えないぐらい船内はスカスカに。あまりにも嘘みたいに静かになったので出航後は桟敷席で爆睡してしまい、記憶があやふや。


壱岐も色々遺跡とか神社とかあるので行ってみたいんですけどね。ただ壱岐だけなら福岡から簡単に行けるし、それに水田が広がる壱岐は、稲穂が青々としている夏に訪れたい。



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壱岐から九州はあっという間。



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寝ていたのもあるけれど、もう福岡なの?って感じ。


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JR九州の新しいジェットフォイル「クイーンビートル」。博多と韓国プサンを3時間ほどで結ぶ予定です。噂には聞いていたけれど、こんなに大きいとは。しかし豪雨といい、コロナ禍といい、JR九州はちょっと可哀想。



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手前の船は福岡市営渡船。デッキには九州場所終えたお相撲さん。モンゴルから来てはじめて海見たらびっくりするんだろうなと思ったけど、そのかわり海みたいな湖あるか。ちょっと前まで海軍あったって聞くし。



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博多港から繁華街の天神までは歩ける距離です。天神の再開発中のビル群の中に、取り残された空間があって、面白そうだから、ここの町中華「新生飯店」で遅めの昼食。


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元気のいいおじちゃんおばちゃんがやっており、15時近いのに店内は地元の客で大繁盛。みんな名物おばちゃんと顔なじみみたい。せっかく九州まで来たし、ちゃんぽんをいただくと、さすが本場の味。幸せです。チャーハンもセットにつけて800円ちょっと。近所にあったら常連になるだろう。ここいつまでも続いてほしい。


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そのあと、JRに乗り、久々に門司港へ。


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駅を出ると、門司港レトロでクリスマスイルミネーションやっているらしくカップルが多い。ここそんな場所だっけ?ちょっと前まで鉄っちゃんしか来なかった気がするが、知らない間にえらい変わりよう。この駅きれいに手直ししてよかったですね。


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大陸航路で栄えただけあって、商館とかも豪華。


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こうやって写真とると、まるで遠い異国の地を歩いているよう。これで車入れなくして、道路にテラス席つくってビールでも出せば完全に気分はヨーロッパです。


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関門海峡を挟んだ対岸は下関。これが21世紀の壇ノ浦。平家一門もめまいがするのでは。



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東日本の人は一部地域を除くと、移動手段で長距離フェリーを使うことは滅多にないと思いますが、西日本に住んでいると四国、九州との往来はフェリーが圧倒的に安くて便利。今回も関西への帰りはフェリーを使います。ちなみにフェリーの横の建物は平城京をモチーフにしたフェリーターミナル。なんかギャップに笑ってしまいそう。


前は名門大洋フェリーのインターネット割引で3300円で乗船したのですが(今は値上げして4000円弱みたい)、カーペット席が結構混雑していたので、今回は阪九フェリーにしました。初回ポイント使って5100円。


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すごく感じのいい人たちと相席だったので快適でした。最近の新造船は全個室になる傾向らしいですが、学生としては安いに越したことはない。


ただ、こんなに広いスペースなのに4人しか利用していないのをみると、ここを個室にした方が確かにフェリー会社は稼げるでしょう。みんな雑魚寝には抵抗あるのかな?


15年ぐらい前、家族の帰省でブルートレイン(夜行寝台列車)使っていましたけど、あれも無くなってしまいましたね。幼稚園とか小学生だったから、開放寝台のハシゴの上に登るのが大好きでしたが、もう思い出の彼方です。これも時代の流れだから抗えない。



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なんかまるでホテルみたいですね。最近の新造船はこんなに豪華なのか。


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レストランも、ここが船だと言うことを忘れそう。


おまけにこの船、露天風呂までついているんですよ。同じ航路なら安い名門大洋フェリーの方使うよなぁと思っていたけれど、中の様子を見て、阪九フェリーも魅力的に映った。


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翌朝、明石海峡大橋を通過。玄界灘とは大違いの瀬戸内海、船は滑るように進みます。


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やっと神戸の六甲アイランドに到着。昨日から計16時間船に揺られていました。


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これで対馬旅行はおしまい。歴史ある古い神社を中心にまわったので、大昔に時間旅行をした気がしました。ただちょっとマニアックすぎましたね。ほんと最後までお付き合い頂きありがとうございました!


今年の年末年始は2年ぶりに父方の実家に行って、ネコと遊びながらコタツでゴロゴロ過ごす予定です。ではでは、良いお年を!


(前へ:厳原城下町から対馬の禁足地オソロシドコロ