ヨーロッパって「古い建物が残っている」っていうののレベルが違うなぁ。そのまま200年ぐらい前に迷い込んだ感じだもの。
続いてやって来たのはペスト地区の聖イシュトヴァーン大聖堂。こちらは建国1000年を記念して建設がはじまり、1905年に完成したネオ・ルネサンス様式の教会です。
イシュトヴァーンについては前記事でも書きましたが、ハンガリー建国の父にしてカトリックの聖人。聖堂内部は残念ながら撮影できませんが、イシュトヴァーンの右手が聖骨箱の中に収められていて、信者の聖地になっています。
なんとこの教会、ドームの上に上がれます。もっとも目が回りそうならせん階段をひたすら上がらなければ行けませんが。
さっき登った王宮の丘が同じ高さです。
塔は高さ96m。ブダペストではこれを超える建物を建設することは法律で禁止されているため、大聖堂の上に建つと町を一望できます。
上から見て整った町並みって本当に素敵。
国会議事堂はどこから見ても目立つ特徴的な建物です。こちらも高さはぴったり96m!
ところで、なんで「96」という数字にこだわっているかというと、ハンガリーの建国が西暦896年だからです。
続いて街歩きを再開します。路地裏に年代物のトロリーバスを発見!
ヴァーツィ通りは日本で言うところの銀座中央通り。ここでスリ未遂を目撃しました。
ハンドバッグ持った若い女の子の前で、おっさんがズテーンとこけてみせて、そのすきに後ろの兄ちゃんが驚いた女の子のバッグを盗む計画だったようだけど、女の子は素知らぬ顔で転んだおっさんを無視したため、グルの兄ちゃんが哀れなおっさんを起こすはめに。
さすがハンガリーの女の子、よくやった!
ブダペストは治安はいいですが、やっぱりヨーロッパの大都市なのでスリや置き引きには気をつけたいです。
さてさて、続いて腹ごなしのあとは川沿いを散歩でもしながら日没を待って、ドナウ川の遊覧船に乗ります。
ライトアップが始まって、そろそろいい時刻。
う~ん、夜景の写真は難しい。でも、ライトアップされた建物や橋がドナウ川にゆらゆらと映っている様を見ていると、なんだか写真なんてどうでも良くなってくるような、幻想的な世界へと引き込まれるように感じました。
さて翌日。時差ぼけで早朝にすっかり目覚めてしまい散歩することに。ドナウ川の上を吹くやさしい朝風が心地よいです。それにしても夏のヨーロッパの日の出、早すぎ。
ゴトゴトと路面電車の走る町って素敵ですね。
威厳たっぷりのライオンに見送られ、ペスト地区へ。
暇だし、朝からやっている中央市場に立ち寄りました。
おお!海外の市場ってみたことなかったけど、なかなかダイナミック。
2階は刺繍のレースなんか売っているお店があって面白かったです。
市場でお土産に買ったマトリョーシカ。よく東ヨーロッパで見かける機械で絵付けしたまがい物と違って、ちゃんとしたハンドメイドの物。
絵柄はなんでしょうね?はじめはイソップ物語のガチョウの話かと思ったけど、おそらくハンガリーの民話でしょう。聞いてみれば良かった。
せっかくなので路面電車に乗って町を見物します。
切符の刻印をせずに乗ってしまったのですが、乗っていたおばさんが丁寧に教えてくださいました。なんとそのあと、すぐ抜き打ち検札が来たのです。いやー、危なかった。たぶん教えてくれたおばさんは検札が来るのを察知したのでしょう。ほんと助かりました。
浴槽の中でチェスにふける毛むくじゃらのおじさんに囲まれながら入るのもなぁと思ったので入らなかったですが、外観だけ見にゲッレールト温泉にやってきました。
まるでホテルですね。ちなみに混浴なので水着着用です。まぁ海外は大抵そうですね。
続いて路面電車の車窓から見つけた洞窟教会へ。キリストの使徒ヨハネ(イワン)の伝説が残されており、「聖イワンの洞窟」と呼ばれています。
手彫りの礼拝堂でなかなかすごい。
穴にそのままステンドグラスはめていて斬新。
さてさて、再び路面電車で国会議事堂へ。いよいよ見学ツアーで中に入ります。
こちらも建国1000年の節目に建設が始まり、完成したのは1902年。
まだその頃はオーストリア=ハンガリー帝国の時代です。
皇帝フランツ・ヨーゼフとしては自分の権威を保ちたかったので、議会は極力開かせたくありませんでした。しかし、オーストリアがソルフェリーノの戦いでフランスに大敗北すると、ハンガリーに譲歩せざるを得なくなりました。
オーストリア帝国は多民族国家でしたから、それ特有の悩みが色々あったみたいです。
ただ、妃のエリザベートは心底ハンガリーを愛しており、ハンガリー語をとても流ちょうに話すことが出来ました。その語学能力は独立派のハンガリー人の心をも揺り動かすほどだったとか。
工事には約10万人が関わり、4,000万個のレンガ、50万個の宝石、40 kgの金を使用した、贅沢な議事堂となっています。一歩足を踏み入れると、もうびっくり。
こちらは本会議場。もともと二院制(貴族院と下院)を想定して作られましたが、戦後のハンガリーは一院制なので、議事堂の一部分しか今は使っていないそう。
本当に全面キンキラキンキンです。豪華絢爛でびっくりなんだけど、こんな国会議事堂にしたら、議員さん達思い上がったりしないの?
宮殿ならともかく国会議事堂って言うのもなぁ。大理石もふんだんに使っていてすごい。
ブダペストで行きたかったところはこれにておしまい。もっともウィーンへ向かう列車の出発時刻まではまだ時間があるので、再び王宮の丘へ。
地下鉄乗ったら核シェルターかってぐらい、深かったです。
一通り観光を終えてから、一番はじめに来た場所にもう一回行ってみると、「ここから始めたんだなぁ」とその町に愛着が湧いてきます。おおげさだけど。
というわけで、ブダペストまたさようなら!
ブダペスト東駅は19世紀に建てられた歴史ある駅。ドーム天井が美しい。
さて、続いて旅の舞台は国境を越えてウィーンへと移ります。
オーストリアはずっと憧れていた国なので楽しみです!