ウィーンでは3泊しましたが、1日は郊外に行ってしまったので、市内を観光できるのは実質1日。最後の日はザルツブルクに向かうために朝早く民宿を立たなければいけません。
というわけで朝早くから思う存分、見物したいと思います。まずやって来たのはこの町のランドマークであるシュテファン大聖堂。
もともと12世紀に建てられた教会を、15世紀初頭にハプスブルク家のルドルフ4世が改築してできあがったのが今の姿だそうです。
礼拝堂は長さ107m、高さは39mあるとかで、見上げると首が痛くなりそう。
礼拝堂の柱にも様々な彫刻が施されていて面白かったです。ちなみに、そのうちの一つに苦悩の表情を浮かべるキリスト像があるのですが、これを見た学生が「虫歯のキリスト」とからかったところ、その学生が虫歯になったという伝説があるそう。
祈りの場は厳粛な気持ちで行きましょう(笑)
4ユーロぐらい払えば北塔の上に上がれます。
塔の一番高いところは137mもの高さだそうです。
下からは見ることができない屋根の上は25万枚のタイルを使った巨大なモザイクタイルで埋めつくされています。ハプスブルク家の家紋の双頭鷲、かっこいい!
塔に備え付けられた鐘は、ハプスブルクの宿敵であるトルコ軍の大砲を溶かして鋳造されたそうですが、戦災で崩壊したため、その残骸を集めてまた作り直したのだとか。
ヨーロッパの町並みは上から見ると綺麗に整っていていいですね。
教会の周りの雰囲気が良かったので、もう少し旧市街をぶらぶらします。
思いつきで旅行できるのは一人旅の特権です。
一国の首都がこんなきれいな街だなんて素敵だな。
この町で最古のレストランがあるというグリーヒェン小路。
ウィーンは入り組んだ路地を一つ入ると、もう物語の世界に入り込んだようで、散策するだけでも楽しくなるような町でした。
続いては地下鉄に乗って、すこしだけ郊外へ行ったところにあるシェーンブルン宮殿に向かいます。ハプスブルク家の夏の離宮として1696年に設計、建設されました。
その時のレオポルト1世の言葉が
「ヴェルサイユ宮殿を凌駕する宮殿をウィーンにも」
なかなか壮大な宮殿です。巨大な建物なのに周囲の景色と調和がとれていて、おまけに優しい感じまでするのは、この黄色い外観のおかげですかね。
シェーンブルン宮殿はオーストリア帝国の顔として機能してきました。
例えばナポレオン戦争の後、ヨーロッパの秩序を建て直すために各国の代表が集まったのもこの宮殿(1814年のウィーン会議)。ただ「会議は踊る、されど進まず」と揶揄されたように舞踏会ばっかりで審議は難航したようです。
残念ながら宮殿の内部は撮影禁止。エリザベートとか、フランツヨーゼフとかが使っていた部屋や調度品を見ることができ、ハプスブルク好きにはたまりません。
屋敷の前には広大な庭が広がっています。向こうの丘の上の記念碑まで徒歩20分もかかると聞きびっくり。
モーツァルトが6歳の時、女帝マリア・テレジアの前で演奏したのもこちらの宮殿。
その時、床で滑って転んでしまったモーツァルトを、当時7歳だったマリー・アントワネットが手を差し伸べて助け起こすと
「大きくなったら僕のお嫁さんにしてあげる」
とモーツァルトが求婚を申し込んだというほほえましい話があります。
あと確かその演奏会で、モーツァルトは女帝マリア・テレジアの膝に飛び乗って、キスまでしたんじゃなかったっけ?
子供時代の黒歴史が世界中で語り継がれるのって、ちょっと可哀想ですね(笑)
お庭を横切って丘の上までやって来ました。7年戦争の戦勝記念で建てた「グロリエッレ」という名前の記念碑だそうです。しかし左側の怪しげなオブジェはなんなんだ?
そのあと、町中に帰ってきて、せっかくなので日本でも有名なカフェ「デメル」でティーブレイク。エリザベートもお忍びで来たそうです。
ザッハートルテも食べたけど、なぜか写真ない・・・。私は食べ物を奪い合う熾烈な兄弟競争をして育ったものですから、料理写真を撮る習慣がないんです。
ウィーン国立歌劇場(オペラ座)はニューイヤーコンサートで有名!
ハプスブルクの軍人オイゲン公がつくらせた宮殿です。ここも内部は撮影できなかったと思います。シェーンブルンに行ったあとでわざわざ立ち寄ったのには訳がありました。
お目当ては名画『アルプスを越えるナポレオン』。生で見るとおお!となります。
ちなみに、アルプスを白馬なんかで越えられるわけはなく、
実際はラバだったというのはここだけの話。
いかがわしいとしか思えない像が敷地中にあるのですが、スフィンクスだそうです・・・
ベルヴェデーレ宮殿は、おとぎの国に迷い込んだような素敵な宮殿でした。ウィーンは本当に面白い街。虜になりそうです。
専らナポレオンの絵画目当てでしたが、他にも有名どころで言えば、クリムトの「接吻」もありました。ただ、あの官能的な絵の良さを理解するのは私には難しすぎるんですが。
さてさて、続いても絵画巡りです。やってきたのはウィーン美術史美術館。
館内はすごい大きさで、フェルメールやベラスケスといった名だたる画家の作品が並んでいるのですが、あまり時間が無いので真っ先にお目当ての作品へ。
念願だったブリューゲルの絵画です。農民たちの生活を多く題材にしたことから「農民画家」とも呼ばれたブリューゲル。どことなく素朴な感じと絵から漂う生活臭が好き。
そんなこんなで、ウィーン初日はおしまい。一日で十分満喫できました。
さて、明日は郊外のドナウ川の古城をめぐります!