【チェコ共和国①】チェスキー・クルムロフ

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長かったオーストリアも今日でおしまい。宿のおばさんにお別れして、シュトューバイタールのバス停でインスブルック行きのバスを待ちます。


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ぜんぜんメジャーな観光地ではないですけど、素朴で美しい村でした。あと一週間ぐらいのんびりしたかった。また機会があったら来たいなぁ。


インスブルックから列車に乗ってリンツという町で途中下車。リンツはこの国最大のタブー、ヒトラーの出生地でもあります。まぁ、そんなのははっきり言ってどうでもよいのですが、なんでこの町に来たかというと、最短ルートで国境越えするため!


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ウィーンまで戻ると結構、遠回りになるので、乗合タクシーでショートカットです。


今ではオーストリアチェコも、EUだしシェンゲン協定加盟国なのでノーチェックで行き来できますが、冷戦時代はチェコスロバキア社会主義圏でした。一方のオーストリア永世中立国で、東側諸国とも西側諸国とも距離を置いていたのです。


そんなわけで、今から30数年前まではオーストリア-チェコスロバキア国境は緊張状態でした。イギリスの作家フリーマントルの「消されかけた男」という小説は、この国境で繰り広げられたスパイ合戦がモチーフで、なかなか面白かった。


リンツからはおよそ2時間のドライブです。国境の検問所を通ったときは、もう今となってはそれがほぼ意味をなさないことは分かっていても、ちょっとゾクゾクしました。


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やってきたのはチェスキー・クルムロフという町。14世紀初めに建てられた教会を中心に、ひとつの町がそっくりそのまま昔ながらの景観を今に伝えており、ユネスコ世界文化遺産に指定されています。


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石畳の町並みを歩きながら、色々な商店や鍛冶屋さんの看板なんか見ていると、まるで中世の商工都市に入り込んだかのような錯覚を起こしそう。お店をのぞき込んで、いかにも職人さんっぽいおじさんを見ると、ギルド制がまだ残っているような気がしてくる。

気分は、チェコに来る前に読んだ、カフカの『城』の主人公です。



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川沿いの丘陵にボヘミア王国の貴族が根城としていたお城があります。


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あまりこういうの他で見たことがない、カラフルで特徴的な塔が面白いです。


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中に入ると、外装はトリックアート!まるで本物の石垣と彫刻がそこにあるみたい。


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続いて中に入ってみます。わぁ、なんか幽霊でも出そう。



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これぞ求めていたヨーロッパの田舎町っていう感じ。


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誰が奏でているのか、優しいそよ風に乗って町から流れてくるアコーディオンの音が心地いい。昔は物売りの声とか、家畜の鳴き声とか、祈りの声とか、町全体が活気につつまれていたのでしょうね。想像するだけで楽しくなります。


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観光客がお城のお堀をのぞいています。何があるんだろう?


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なんと子グマです。どういう経緯からか16世紀からここで飼っているらしい。


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よく見たら、町中だまし絵だらけですね。何百年前からこうなんでしょうけど、財政的な問題からかな?これはこれで面白いです。


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ぶらぶら街歩き。カメラのレンズでどこを切り取っても美しい景観です。


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町の中心の広場。三位一体の像かな?


このあと、明日のプラハ行きの乗合タクシーの予約をしに、町中のバス会社に行ったときのこと。支払いでチェココルナ札を「1,2,3・・・」と数えていると、


マッチョなお兄さんが、ニコニコしながら「よん、ご、ろく・・・」


空手やっているから知っているそうです。面白かった(笑)


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晩ご飯を食べて外に出ると、もう真っ暗。だけど夜景がものすごく綺麗でした!


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次の日。観光地は早朝散歩に限ります。チェスキー・クロムロフは専ら町並みを見にやって来たので、網の目のように張り巡らされた小路を探索!


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デザインとかやっている人が見たら本当にたまらないんでしょうね。私みたいな素人が見ても興味惹かれます。


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チェコの国章の獅子、至る所で見かけますが、かっこいい!


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続いて、まだ人気の無いお城の方へ。宿で町並みを見下ろせる庭園があると聞き、行ってみることにしました。


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昨日は人が多かったのでこんな通路があるの気がつかなかった・・・


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想像していたよりお城の敷地は広大で、やっとその庭園を発見。


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朝日に照らされて輝く赤屋根の美しい町並みが目の前に飛び込んできます。チェスキー・クルムロフはちょっと外れているから行くか迷ったけど来てよかった!
思い出に残る町になりました。


さてさて、長かったこの旅行もいよいよ最終盤、次はプラハです!


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