『マイマイ新子と千年の魔法』舞台訪問したっちゃ!

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昭和30年の山口の片田舎を舞台にした片渕須直監督の映画『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台訪問です。タイトルも山口弁っぽく(笑)


原作は芥川賞作家の高樹のぶ子の自伝。空想力豊かな少女・新子が親友・貴伊子とともに、かつて国府があった歴史ある町で、1000年前の女の子と心を交わし合う、まあざっくり言うとそんな話です。聖地巡礼ではなく舞台訪問なので、キャプチャの比較とかしません。映画に出てきた場所の近辺をきままに歩き回るだけの自己満旅行なので…


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まずは防府駅。作中では旧駅名の三田尻として出てきますが。新子の友達となる転入生の貴伊子が、父親に連れられて東京から汽車でやってくるシーンで登場します。


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防長バスもでてきますが、もちろん当時のボンネットバスは現存せず。まあ今でも右から「防長バス」と書いてあるあたりセンスを感じます。


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防府の名所「防府天満宮」。平安時代はこの地が周防国国府であり、都から太宰府に流された菅原道真が立ち寄ったことが創建の始まりだとか。


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周防国国分寺は1200年の歴史を持つ由緒あるお寺。この場所が国府に近かったことの証です。金堂は国の重要文化財なのだそう。


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国分寺の前を通る山陽道を東へ進むと佐波神社に行き当たります。映画を見た人なら分かるはず!新子と貴伊子がグリコをして遊ぶシーンで登場するわけですが、山口弁で「じゃんけんもってすっちゃんほい!」って言うあたりかわいい…



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ちなみに、このシーンのためだけにグリコにタイアップを取りに行ったはなしが監督のブログに書いてあって、けっこう面白いです。



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上までのぼると貴伊子の暮らす海辺の工場の煙突が見えます。



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続いてやって来たのは国府(國衙)跡。昔はここに築地があったようですね。結局のところ、身分の違いで住むところを分ける築地も子供達には無意味だったわけですが。


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というわけで1000年の都の中心として映画に何度も出てくる國衙跡史跡の碑までやってきました。ここでポップコーンを爆発させるシーン、のどかで好き。昭和30年代と変わらない美しい田園風景が広がります。


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この水門は二人が遊び回るシーンで登場しますが、田園風景に囲まれていた昭和30年とはだいぶ様子が異なりますね。ちなみにこの道は平安時代は朱雀路だったのだとか。



しっかりと時代考察をされているし、なにより映像がとっても美しい映画なので、いつか舞台訪問したいと思っていましたが、ようやく念願が叶いました。見渡す限りの麦畑が住宅街となっているなどイメージとだいぶ違うことは予想していたものの、それでも國衙の周辺は景色が美しく、しばらくの間1000年前の世界に思いを馳せることができました。