因美線の木造駅舎巡りと岡山の秘境・阿波村へ

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因美線因幡国鳥取県)と美作国岡山県)を結ぶローカル線。とりわけ南側の津山~智頭間は直通列車が一日に7往復しかありません。


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旅のはじまりは岡山県中部の津山から。むかしは山陰と山陽を結ぶ鉄道の一大ジャンクションだったのですが、今は急行も特急もやってこない、のんびりとした地方都市です。



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レールバスを思わせる因美線の車両に乗り、鳥取との県境の美作河井駅で降ります。


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美作河井は集落から離れた山間部の秘境駅


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今は無人駅ですが、切符売り場など内部は昭和6年開業当時のままです。


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昔はここで列車の行き違いをしていたようですが、いまではこの線路の上を列車が通ることはありません。


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初めてホームの下に立った!いたずら写真じゃありませんよ(笑)
こうしないとホームに行けないのです。


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かつて使われていた手動の転車台跡。列車は数時間先まで来ないとはいえ、さすがに営業線路をまたぐのは躊躇しました。



列車は4時間先までこないので、暇で暇でしょうがなくなるのは目に見えていました。事前にどう時間を潰そうか調べていると、美作河井駅からさらに山間部にある集落までバスが出ていることが分かったのです。これは乗ってみるしかない!


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行き先は阿波村。阿波と書いてアバと読むそうです。駅前に「村営バス」と書かれたバス停があります。ちなみに初乗りは50円という安さ!


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バスは案の定貸し切り。そもそも駅で降りたのも自分だけでした。山間部を縫うようにしてどんどん山道を登ってゆきます。


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大畑という停留所でおります。終点まで行っても何もないそうなので。いや、ここも何もないのですが・・・


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嘉永5年って!江戸時代のものがふつうにゴロゴロしていました。


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せっかくなので山道を登ってみることに。


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洗濯場ですよね?これ。とても貴重だと思うのですが。


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頂上の方に見えるのは鳥居?


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なんと木組の鳥居です。ところが社殿はない。鳥居だけ。おそらくこれは山の神を祀ったものではないかなぁと。


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柳田國男によると山の神=田の神=祖霊だそうですから、近くに墓石があるのも納得。それはそうと、さっきまで晴れていたのにいきなり霧にまかれ、雪が降り出しました。


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あわてて麓に降りると再び太陽が顔をのぞかせます。不思議なもんです。



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バス停近くにはちゃんとした神社が。806年創建の八幡神社だそう。



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こちらは廃校になった旧阿波小学校の校庭。奥は役場です。日本の役場はどこにいっても立派な建物ですね…



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さて、再び河井の駅に戻り、因美線に乗ります。鳥取方面の列車は4時間後まで来ないので津山方向に戻り、途中下車してもう一駅巡ります。


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降りたのは美作滝尾駅


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駅舎に入ると実家のような安心感!日常の煩わしさがすべて吹っ飛びます。時が止まったかのような感じ。



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岡山駅で買った駅弁を座って食べていたら、だれもいないはずの駅長室の中から視線を感じてゾクッとしました。


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恐る恐るガラス戸をのぞくと、ああ寅さん!


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この駅、山田洋次監督が目をつけて『男はつらいよ』のロケで使われたそうです。


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さすがは山田洋次監督、お目が高い。


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赤い屋根が滝尾駅。ほんとのどかな田舎です。


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列車の警笛が聞えてきました。のんびりした時間もおしまい。再び列車で鳥取方面に向かいます。本当はもう一駅ほど巡りたかったけど、そうしたら今日中に城崎温泉の方に抜けられなくなるので。