砂と海とカレーライス

【山陰の旅⑤】米子~鳥取~京都   

鳥取は先祖ゆかりの地でして、コロナ前は墓参りに毎年1回、訪れていました。というわけで、鳥取県東部の観光地はあらかた行きつくした感があるので、さくっと墓参りだけ済ませて、京都に向かおうと思います。




米子の「ホテル真田」、今時、朝食つきで3000円代というのはすごい。定宿にしたいぐらい、とても快適でした。ネーミングは「本能寺ホテル」並みにインパクトありますけどね。真田さんがやっておられるのかな、やっぱり?




米子と鳥取の間は普通列車で2時間30分ぐらいかかるのですが、1往復だけ快速がありまして、快適に移動できます。


ここまで山口、島根と外国人観光客は全く見かけなかったのですが、鳥取ではアジア人や欧米人の旅行者をちらほら見かけました。




北栄町名探偵コナンの作者の出身地で、記念館があるそうです。欧米系のバックパッカーが降りていきました。ちなみに今乗っているこの列車も「コナン列車」です。


なんか事件でも起こり……いや、なんでもない。



鳥取駅前には、因幡の白兎(しろうさぎ)の像があります。白兎が大国主因幡の姫を結び付けたことから、舞台となった白兎神社が恋人の聖地になっているとか。


ちなみに神話の中の大国主には、たくさん奥さんがいて……おっと、だれか来たようだ。




鳥取の城下町は、戦時中の大地震と、戦後すぐの大火でほとんどなくなってしまい、痕跡はわずかです。私の祖父もバラックで生活していたと聞きました。


江戸時代をしのぶ数少ない痕跡が、池田のお殿様がいらっしゃった鳥取城の城跡。実はこの山の頂上にも山城がありました。簡単に山登りできて、上からは鳥取砂丘を一望できるという穴場スポットになっています。



あとは獅子舞の一種として「麒麟」(きりん)の舞も鳥取独自の民俗文化になっています。お城そばの湯所神社は狛犬じゃなくて麒麟



お城の東側の長田神社には、4代藩主の池田 宗泰が造営した本殿が残っているというので行ってみました。



御祭神は、多鳩神社と同じ事代主(コトシロヌシ)。出雲の神様で、エビス様です。



ご神木には手を触れることができます。お殿様だけでなく、城下民にも崇敬された長田神社。うちのご先祖様も来たかなぁ?



時間があったので、ちょっと砂丘に寄り道。ふつうは砂丘センターまで行くのですが、途中の子供の国入口で下車。ここからも砂丘に入れます。ただ初めていく場合は砂丘センターから行く方が圧倒されると思うので、そちらがおすすめです。



ここは砂丘の端っこなので、地元の方も結構散歩してられます。あと、人がいない風景を撮りたい写真家とか見かけました。




う~ん、やっぱりこの景色見ると、鳥取来た~ってなる。



砂丘を渡る風が涼しげで、もう秋の気配がする9月末です。



砂丘の後は腹ごしらえ。鳥取県は実はカレーの消費量が日本一だったりします。人口の少なさ考えたらすごいですよね。市内にはいくつか名店があるのですが、今回は商店街のカフェ・モンクスさんでカレーをいただきました。



キーマカレー、とてもおいしかった。丁寧に作られている感じがしました。


これで鳥取編はおしまい。美しい町並みが残る倉吉とか、のどかな若桜町、智頭町とか、ブログで紹介したいところがたくさんあるのですが、また機会があったら。




長かった山陰本線の旅もいよいよ終盤。兵庫県香住町鎧駅で途中下車します。



駅の前一面に日本海が広がります。



昔は港から崖の上の駅まで魚介類を上げるインクラインがあって、貨物の運行が頻繁に行われていたみたいです。今は静かな漁村になっているけれど。



よく絶景の駅として紹介されるので行ってみたまででしたが、京丹後とかの風景を見慣れているので、特に目新しさは感じませんでした。綺麗ではありますが。


ただ、駅の前に海が開けているのはいいですね。映画とれそう。あ、そういえば全然私は知らない世代ですが、鎧駅は、連続テレビ小説の「ふたりっ子」の舞台らしいですよ。



さて、鳥取方面の列車で1駅戻ります。このあたりは車窓からの景色がいい。



続いてやってきたのは餘部駅(あまるべ)。明治時代からの長大な鉄橋があった場所で、10年ほど前に架け替えられました。



ですが、かつての橋の一部が保存され、その上を歩くことができます。



それにしてもすごい迫力です。この上を列車がゆくの見てみたかったな。



陸の孤島だった餘部にとって駅の開設は悲願だったそう。




集落から見上げると相当高いのがわかります。今はエレベーターがあるけど、通学の学生とかこれ毎日歩いて登っていたんでしょ、大変だったと思います。



さて、これで萩からの長かった旅もこれでおしまい。温泉に神社巡りと満喫しました。やっぱり自分のルーツというのもあるのか、山陰には懐かしさを覚えます。


幸いなことに京都はさわやかで過ごしやすい季節になりました。これがずっと続いてくれるといいんですが。まあ多少寒くなったとしても、今年の茹だるような夏の暑さよりはマシに思えてきます。コタツでぬくぬくするのも至福のひと時ですしね。

今日もご覧いただきありがとうございました。ではではまた!


(前へ:水木しげる先生の境港と黄泉の国に通じる揖夜神社