【山陰の旅④】境港~米子~揖屋
今日の宿は米子にとったので、まず松江から米子まで移動。荷物を置き、晩御飯を済ませてから、境港へ向けて再出発です。
靴下が雨に濡れてしまったので、米子から4駅ほど歩いて、衣料品店で購入。人の気配のしない無人駅から境港行の列車に乗ります。なんか出そうな雰囲気。
出ました(笑)
JR境線は、水木しげるにちなんで各駅に妖怪がいます。三本松口駅は、袖引きです。
境港駅に到着。水木しげる直筆のプレートに迎えられます。「妖怪の国」だって…
ひえ~。この目玉、列車が出発するベルが鳴るとチカチカ点滅するんですよ。こわっ!
なんか水木先生まで妖怪にされてないか(笑)
浮かび上がる鬼太郎のブロンズ像
でた~!ねずみ男
ねこ~
べとべとさん。夜道でついてくるんでしたっけ?恐怖ですね…
妖怪神社なるものも。
遊び心たっぷりでなかなか面白い夜の水木しげるロードでした。ちなみに風土記の時代、境港のある弓ヶ浜は「夜見島(よみしま)」と言われていました。水木先生が境港に生まれ、妖怪漫画を描くようになったのも偶然ではなく必然でしょうか(笑)
JR境線には水木しげるのキャラクターをラッピングした列車が走っています。
車内も水木ワールド全開です。水木先生の描く妖怪、つくづく可愛い~。
車内放送も、鬼太郎とネコ娘、ねずみ男の声優さんがやるという徹底ぶり(笑)
乗ったのは「砂かけ婆号」でしたが、他にも「鬼太郎号」「ネコ娘号」などあるみたい。
この日は米子駅前の「ホテル真田」に宿泊。朝食付きで3200円でした。
さて翌朝。朝食は6時30分からなのですが、その前に米子駅から列車に乗ります。
島根県に入りまして中海沿いにやってきたのは揖夜神社。「いや」と読みます。
日本書紀や出雲国風土記にも名前が見られる歴史ある神社です。御祭神はイザナミノミコト。黄泉の国に縁が深い神社として知られています。
出雲の神社のしめ縄みると、異文化を感じられて好きなんですよね。
もう1つ、出雲っぽいものといえば、「蛇神信仰」です。
縄で蛇体をつくり、神木に巻き上げ、荒神様を形作ります。「蛇」は古事記にも登場し、雷神=水神=農業神として古来から考えられていたようです。
さて、揖夜神社から20分ばかり歩いたところに、黄泉の国の入口とされる「黄泉比良坂」(よもつひらさか)があります。
この坂は、古事記に2回登場します。1回目は「国生み神話」の続きで知られる話です。
出産で亡くなってしまったイザナミに会いたいばかりに黄泉の国まで来たイザナギは、決してみてはいけないといわれたにもかかわらず、イザナミの恐ろしい姿を見てしまいます。追いかけてくるイザナミから必死に逃げるイザナギは、「黄泉比良坂」の千引岩(ちびきいわ)で道をふさぎ、難を逃れました。
2回目は現世と「根(ね)の国」の境として、大国主命(このときは大穴牟遅神という名前でした)の試練の物語の中で登場します。
どちらにせよ、「異世界」との境界として言い伝えが残る坂です。
親切にも地元の人が案内してくださいました。島根はいい人ばかりです…。
まだ暑さも残る中、ひんやりとした森の中にあり、別世界に来た感じがします。
昭和初期に建てられた碑。「史跡」はよくあるけど「神跡」は初めてだぞ。
だいぶ前にこのブログで紹介した「もっけ」の作者の熊倉先生が新刊を出されており、「ね」(=古事記の「根の国」?)が舞台の漫画を描いておられます。ここまでのところ、読んでも正直のところ、何がどうなっているのかさっぱり分らないのですが。
熊倉先生も黄泉比良坂に行かれたみたいだし、そのうち出てくるのかなぁ?そういえば主人公の「ちびちゃん」っていうのも、千引岩を連想させるし。
黄泉の国への入口をふさいだとされる千引岩として語り継がれている岩。
イザナギが追手を避けるために投げた桃の木もありました。さすがにあとで植えたものなんでしょうけれど。桃は昔から不浄のものを払う効果があるとされてきたそう。
でもきっと、今の桃とは全然味が違うのでしょうね。
ちなみに行ったのが早朝だったので、駅からだいぶ歩きましたが、日中は揖屋駅で無料のレンタサイクルができるそうですよ。黄泉比良坂は出雲大社とかと比べたらマイナーだけど、なかなか面白い場所でした。
さて、続いては米子のホテルに戻り、朝食を食べてチェックアウトしてから鳥取方面に向かいます。最後までお読みいただきありがとうございます。ではでは。
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