修習では全国の配属庁に行く前に、埼玉で2週間ほど、集合研修があります。せっかく関東にいるというのと、学割を使えるのが3月までということもあり、日帰りで群馬県までお出かけしてきました。行先はその日の思いつきです。
列車に揺れながらウトウトしていると、窓の向こう、ごつごつした妙義山の後ろに、巨大な真っ白い雲が湧きたって見えます。青空が広がっている中で、白い雲は朝日を浴びてひときわ美しく見えました。ん?雲??寝起きの目をこすってよく見ると、白い雲のように見えたのは、真っ白な雪をかぶった浅間山でした。
思わず見とれてしまって、写真を撮るの忘れてしまいました。浅間山って群馬県から見ても大きく見えるんですね。
上州一ノ宮駅で下車。上野国の一之宮である貫前神社へお参りします。
駅の前に広がる丘陵を上ると鳥居が見えてきます。
ところが門をくぐると…
社殿は石段を下った渓間にあるのです。くだり参道っていって、他では出雲大社なんかがそうですけど、珍しいですね。
物部姓礒部氏が氏神である経津主神(ふつぬしのかみ)をお祀りしたのが始まり。6世紀には存在が知られていたというから、相当古い神社です。
社殿は徳川家光が建てたもの。なかなか煌びやかです。
再び列車に乗り、終点の下仁田へ。ネギとかこんにゃくとか有名ですが、一体どんな町なのか。まったく予備知識なしで適当に散策します。
下仁田の真下は中央構造線が走っているそうで、南北で地質が違います。関東で唯一、中央構造線の露頭が見られる場所があるので、行ってみました。
ここがその場所。手前が下仁田層で、奥が緑色岩の層。間に中央構造線が走っていて、川は滝になっています。
足元には貝殻の化石。約2000万年前の海の地層がむき出しになっています。
南側に回ってみます。緑色岩は、海底火山由来の玄武岩が比較的低温の変成作用を受けたことで出来ました。緑泥石、緑簾石を含むため、名前の通り緑っぽいのが特徴です。
付近の山は浸食作用で面白い形をしています。ヨーロッパでよく見るような光景です。日本も所を変えればいろいろな景色がありますね。
下仁田の町は古い町並みが残っていて、ビリヤード場なんかもありました。
続いて、下仁田からバスに乗って南牧村(なんもく)へ向かいます。
養蚕と鉱山で栄えた山間の村です。当時をうかがわせる家屋がたくさん残っていました。
ここは春まだ浅しって感じです。のどかでいいですね。
村の食堂、千歳屋さんで炭ラーメンなるものをいただきました。これぞ求めている味です。特産の炭を活かして、製麺しているそうです。
京都にいたころ、ラーメンはほとんど九州系であんまり好きじゃなかった。こういうシンプルなのがいいです。
南牧村、とてもいいところでした。道の駅でかったブルーベリージャムもおいしかった。
帰りは上信電鉄の山名駅から歩き、蕎麦屋「石うす」へ。天せいろで1100円!旬のふきのとうの天ぷらもついてます。コシがあっておいしかった。
このあと、高崎をうろうろしたのですが、人が多く、お店もたくさんあってとても栄えている感じがしました。駅ビルも含めて、開発が上手くいっている感じがします。それでちょっといったら温泉とかあるし、群馬なかなか住むのにいいかも。
**後日談**
南牧村には鉱山がいっぱいあったので、河原に鉱物が入った石がないかと思っていくつか拾ってきたのですが、帰ってきてから割ってみたら、入っていました。
小さいけど、黄鉄鉱です。うーん、写真で写すの難しい。ルーペだときれいな結晶が見えるんですけど。石を割るの、宝箱を開けるようで好きです。
それから神田神保町の古本屋で「原色鉱物岩石検索図鑑」なる古い本を発見し、購入しました。山形とか秋田にはいろいろな鉱物があるとのことで、実務修習に入って時間があったら鉱物採集に挑戦してみたいです。
さて、来週はいよいよ東北暮らしがスタートします!