京都の人には、東の比叡山に対して、西の愛宕さん(愛宕神社)として親しまれている愛宕山。標高は924mで、山頂の神社に行くには麓から徒歩しか手段がありません。京都に暮らす以上、前々から気になっていたのですが、12月の頭に意を決して登ってきました。
このように京都の中心部からならどこからでも愛宕山を見ることができます。ドライブウェイが開通している比叡山と違って行きにくいからか、マイナーだけど。
登り口は清滝バス停。昔は修験者が暮らしていたという渓谷沿いの秘境の集落です。
アクセスは京都バス72系統。三条から二条駅、嵐山を通って、そこから山の中を清滝まで行く路線です。嵐山から清滝までは廃線になった私鉄・愛宕山鉄道の軌道敷を走ります。
昔は愛宕山も比叡山と同様にケーブルカーで楽々とアクセスできる山でした。こちらがその登山電車の線路跡。戦時中に鉄が不足したため不要不急路線として廃止されました。
参道は今でこそ森の中をゆく小路といった感じですが、途中には平安時代以降に建てられた寺社の跡や茶屋跡などがあって、昔の繁栄を今に伝えます。
登りは2時間半らしいのですが、私はこういう体力だけは自信あるので、1時間弱で頂上が見えるところに出ました。山頂はすっかり雪をかぶっています。もっとも、今シーズンの京都は異様に雪が多いので、愛宕山が雪なのはすかりお馴染みになってしまいました。
日の出前の早朝バイトに行く気が失せるから、洛中はなるべく雪が積もってほしくない。でも雪の金閣だけはいつか見てみたいなぁ^)
(そうは思いつつ、いざ雪が積もると私は外に出る気がしなくなるのです・・・)
おお!こう見ると淀川も大河という感じですね。
というわけで頂上までもうひと頑張り。
昔、愛宕山には神社だけでなく白雲寺というお寺がありました。こちらがその寺の「黒門」。森の中にど~んと現われて、圧倒されました。
この先の参道沿いには白雲寺の6つの僧坊が建ち並んでいたと言うからすごいものです。ただ、お寺自体は明治の廃仏毀釈でなくなってしまいました。
さらに登山道を登ります。ポケットに入れてきた丸ぼうろが凍り付いてパリパリに。
気温を見ると氷点下!
900mだったら、大体ふもととは10度前後気温差があるのでしょう。丸ぼうろって凍りついても美味しい。以来、冷凍庫で凍らせてます。
やっとこさ、愛宕神社の本殿にたどり着きました。
火伏せの神様として知られ、よく注意して京都の街を歩いてみると、町中の色々なところに愛宕さんのお札が貼ってあります。とても霊験あらたかな神社です。
参拝を済ますと、宮司さんが待合室のストーブを焚いて下さって、しばし休憩。他にもパラパラ登山者がおられました。
どうせだから山の反対側の斜面まで行ってみることに。
ちなみに愛宕山は過去に遭難事件とかも起きているので、きちんと準備するに越したことはないです。午後から登るのは止めた方がいいと思います。
あと、鞍馬とか比叡山といった他の京都の山と違って、(今のところ?)ヤマビルはいないので、その点は安心して登ることができます。
紅葉と雪山の幻想的な風景、なかなか綺麗だなぁ。
帰りは山陰本線の保津峡の駅まで歩きます。霧が出てきて神秘的!
小一時間で水尾の集落に出てきました。後の世に「水尾天皇」とも呼ばれた清和天皇(850年~880年)がこよなく愛したという山村です。
水尾の名産と言えば柚!
のどかな集落で気に入りました。
水尾から保津峡の駅までは自治会のバスが出ているのですが、ちょうど運休日だったので川沿いに1時間ほど歩きます。
秘境駅として時々テレビで話題になる保津峡駅。山陰本線の旧線を利用したトロッコ列車の撮影目当ての鉄ちゃんが集結していました。
さきほど登ってきた愛宕山は雲の中。早めに下山して良かった。
うん、いい景色。いつか保津川下りもやってみたいですね:)