はじめての海外ひとり旅。受験のときはこれだけを夢見てました。
世界史が大好きで、とりわけハプスブルク家に興味あるので、オーストリアとその周辺国をまわることに。小学生のときからお年玉だのお小遣いだのずっと貯めてきたので、それを崩して行こうとしたのですが、そうするとやっぱり安く行きたい!
エクスペディアで最安だった格安航空会社を使おうとしました。ところが母親に相当心配され、結局「今回だけだよ」とエールフランスとの差額を出してくれることに。このときはまだアルバイトしていなかったので感謝です。
その後は緊縮財政で旅行しているので、すっかりアシアナ航空が御用達になってしまいましたが^)
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深夜の羽田からパリ行きの飛行機に搭乗。シャルル・ド・ゴール空港に朝の3時ぐらいに到着しました。5時間ぐらい空港ですごし、いよいよハンガリーのブダペスト行きの便に乗り込みます。こちらもエールフランスです。
離陸してしばらくすると、アルプスを代表する山、モンブランが見えました。
こちらはスイスのマッターホルン。そのあと飛行機はアルプスの上を飛んでオーストリアの上空へ。ハンガリーはもうすぐそこです。
ところで、この旅行以来エールフランスには乗っていないですが、機内やパリの空港で食べたクロワッサンの味が忘れられないぐらい美味しかった。
宿に荷物を置いて観光に出発。ブダペストは王宮のあるブダという町と、ドナウ川を挟んだペストという町の2つから成っています。まずやってきたのは、王宮のあるブダ。
王宮は丘の上にあって、ドナウ川の流れを一望できます。
ブダ城の歴史は13世紀のハンガリー王にまで遡りますが、お城を大きくしたのは15世紀の神聖ローマ皇帝ジギスムント。彼はドナウ川を見下ろせるブダの丘の上を居城として選び、ヨーロッパの領主に自身の卓越性を示すため、巨大な王宮を建設しました。
その後、王宮はオスマン帝国に支配されます。そしてそれを奪還したのがハプスブルク家。廃墟と化していた王宮は女帝マリアテレジアによって復興されました。
ハンガリー人は今でこそ金髪碧眼ですが、もともとはアジア系の遊牧民族マジャール族でした。上はハンガリー人誕生の伝説に出てくるトゥルルという霊鳥のモニュメントだそう。そういえばフィンランド人も元はアジア系だそうですね。ほんと信じられない。
王宮の丘の上でひときわ存在感あるマーチャーシュ教会。オスマン帝国に支配されたときはモスクになったこともあるこの教会では、オーストリア=ハンガリー皇帝フランツ・ヨーゼフと、その妃で悲劇の王女ことエリザベートの戴冠式も行われました。
ハンガリー建国の父こと聖イシュトバーンの像。
イシュトバーン(英語だとスティーブン)は11世紀にハンガリーを統一し、キリスト教国家に転換させました。その後ハンガリーはオスマン帝国に吸収されますが、イシュトバーンは対立するキリスト教徒の精神的支柱となったようで、ハンガリーがトルコ人の支配から脱したときにカトリックの聖人に加えられたそうです。
教会のそばに砦があって、ドナウ川を見下ろせます。
「美しく青き」かどうかは別として、悠久の流れを前に広がる赤屋根の町並みが美しい。
町のシンボル、くさり橋が出来るまでドナウ川を渡るのは容易ではありませんでした。
橋ができたのは19世紀前半。凍った川を渡ることが出来ず、最愛の父親の葬儀に参列できなかったハンガリーの貴族が私財を投じてつくりました。この橋の開通ではじめてブダとペストの2つの町がひとつの町、ブダペストになったのです。
ひときわ目を引く国会議事堂は明日の見学ツアーで訪れることにします。
続いて、マーチャーシュ教会の中へ。
中に一歩踏み入れるなり、美しく飾られた礼拝堂が目の前に飛び込んできて感動。教会では木のイスに座って、少しの間ボーっとするのが好き。分かる方いらっしゃいますか?
聖イシュトヴァーンの王冠。代々ハンガリー王に受け継がれてきました。
十字架が曲がっているのは箱にしまうときにぶつけた、ローマから初代国王のもとに運ぶ途中で傷んだ、など諸説あるそうですが、どちらにせよ直さないのね(笑)
エリザベートの胸像。本当は夫のフランツ・ヨーゼフこそ色々と功績を残したはずなのですが、どこいってもエリザベートの人気の影に隠れて可哀想です。
ブダペストの「フランツ・ヨーゼフ橋」は地味すぎて改名されてしまいました。エリザベート橋はあるのに。悲劇の最期を遂げた方が美談にされるのは世界共通なのかな?
王宮の城塞の中に町があります。これは、おとぎの国か絵本の世界ってやつだ。
色も装飾も建物によってまちまちなのに妙に調和とれていて美しいです。
続いてかつてのハンガリーの中心だった王宮へ。第二次世界大戦で徹底的に破壊されたみたいですが、綺麗に修復され、昔の面影を今に伝えています。
王宮の下に洞窟迷路があるというので入ってみたのですが、入ったら二度と出られなくなりそうな感じで怖かったです。
オスマン帝国の時代はここでトラやクマを飼っていたらしい。
猛獣と言うより、幽霊が出そうですね・・・。
だけど幽霊さんと鉢合わせても、言葉が通じないから何言われても分からないですけど。
それでは王宮を後にして、ドナウ川を渡り、ペスト地区に行ってみます。
というわけで、次回はその話から!