秋の乗り放題パスで尾道へ。古くは「東京物語」から大林監督の「時をかける少女」「転校生」などの映画の舞台となり、世代によって何の聖地か分かれる町。自分的には「かみちゅ!」という少し昔のアニメとか、あと朝ドラの「てっぱん」とか。
お好み焼きとラーメン屋のはしごは2年前にやったので、今回は街歩きメイン。まずは東尾道駅で降りて、いつも電車から見て気になっていた尾道大橋を歩いて渡ってみます。
しまなみ海道の本州側で1番目の尾道大橋。思ったより高い!そりゃ造船所あるし、大きな船が通るから当然といえば当然だけど。有名撮影地だそうで、地元の鉄ちゃんがカメラを構えていた。確かにここだったら貨物も撮れそう。
そのまま向島に渡って、大元神社へ。岩屋山の頂上にあります。ちょっと恐れおおいけど磐座の上に登れまして、対岸の尾道市街がよくみえます。まぁ瀬戸内は花崗岩が山中にゴロゴロしているので磐座だらけなんですけどね。
尾道はいまだに渡船が健在。「てっぱん」に出てくる兼吉渡しで向島から対岸へ。
渡船は全部で3航路。一番レトロな福本渡船は日曜休航なので、翌日にお預け。
町の中に忽然と姿を現す艮神社の入口。
尾道で一番古い神社とあって、クスノキの大木が見事。樹齢は推定900年とのこと。
「転校生」で有名になった御袖天満宮。「かみちゅ!」の舞台でもあり、それ目当てで訪れた人がみんなオープニングのこの角度で写真撮っているから、こだわってるなーと思っていたけど、なんのことはない。階段が急で目線がこの高さになる。さすが坂の町。
尾道の山の手は道が迷路のように入り組んでいて面白い。狭い路地を抜けて、時々ふっと視界が開ける場所があって、こういう場所から眺める市街の景色がまた最高。尾道水道をゆく黄色い電車も絵になる。やっぱり瀬戸内はいいなぁ。
千光寺まで登ってみた。尾道といえばここというほどの有名地。写真には写っていないけれど、山頂から四国の石鎚山が見えました。
土堂小学校は作家の林芙美子や大林宣彦監督の母校で、数々の映画の舞台になっているけど、尾道市は統廃合を理由に取り壊そうとしているそう。町のシンボルなので、反対の声が大きすぎて、計画は頓挫している模様。「かみちゅ!」にも出てくるから保存してほしい(切実)。こんな調和のとれた景色は今時珍しいと思う。
ちなみに尾道は山の斜面の家が不便なのと高齢化で結構空き家になっていて、市を上げて移住者を募り、若い人に安く貸し出しているみたい。大正とか昭和初期の日本家屋に住めるの、ちょっと憧れる。できることなら自分も移り住みたいですよ…。
尾道から船に乗りたかったので、生口島の瀬戸田港へ。あとで知ったけど、「転校生」の一夫と一美が家出したルートらしいですね。大林監督の映画、面白そうだから観てみようかな。当時、若者に大ヒットして尾道のロケ地めぐりが流行ったとか。
今回の旅は下調べなしなので基本風任せなのですが、国宝のお寺があると聞き、向上寺三重塔へ。山の上にあって、けっこう疲れた。
極楽浄土ってあったらこんな感じかも。瀬戸内海の凪って本当に鏡のよう。
みかんもそろそろかな。
のんびり過ぎゆく島の時間。
翌日も尾道。ガウディハウスは建築好き必見の名作。ここも空き家になって一時期解体の危機にあったらしいのですが、地元のNPOによって綺麗に保存されています。
なにげない坂道がとても趣ある
アサガオの咲く階段
なんとなくまた千光寺へ。真言と鐘が響く町、すごくいい。
尾道と言えば猫。日曜は全然見かけなかったが、人が多かったせいなのか。
いつもの定位置なんでしょうね、見晴らし抜群でうらやましい
「これが僕の街」(ドヤッ
猫の小道。思ったより細い道で、最初は迷った。
「かみちゅ!」の主人公の家があるのは向島という設定。場所は兼吉の丘というところみたい。Googleマップ見ても登り口がよく分からなかったので、国土地理院の地図を頼みに登ったらなんとかたどり着けた。(建物そのものは対岸の浄土寺のそばにあるらしい。)
まるでジオラマ
造船所の見える景色をゆく山陽本線
最後は念願の福本渡船に乗船。第12小浦丸は1971年製の古株。アニメの設定は1980年代のはずなので、そのときのまま。というか50年前の船が現役というのが驚き。
昭和レトロあふれる貴重な船。おそらく鋼鉄製だけど、窓枠が木です。手描きの注意書きもよい。運賃はわずか60円で向島島民の生活の足になっています。
港町の通学風景。自分も向島に住んで、尾道とか福山に通学したい人生だった……
そろそろ大学の卒業旅行も考えなければなぁ。11月末まで大学の関係で京都から出られないのですが(さすがに要卒単位はとった)、そのあとはフリーになるので、久々に長旅がしたい。ただ今年は厳冬らしく、ちょっと構えてしまう霜月のはじめです。こうなったら温泉でも行くか。学割使えるうちにフェリーで別府とか湯布院とかもいいなぁ。