紅葉のにしき神(仏?)のまにまに

週末の京都は久々に結構な人出でびっくり。出町柳のあたりとか、2年前より観光客が多かった。自転車で大学往復するのにいつもより時間がかかって、そういえば昔はこれが毎日だったなぁ~、私は何を驚いているんだと、ちょっと笑ってしまった。左京区でこれなら、河原町とか、押しくら饅頭状態だったのでしょうね。


今回の事実上4連休(学生は違いますよ)はどこも混むだろうな、とは予想していたので、その前の金曜日に小旅行してきました。久しぶりに手頃な場所で市外の空気を吸いたいが、宇治とか大津は近すぎる。それなら、自ずから行き先は、、、というわけで、去年の5月以来、いまふたたびの奈良に出発。



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京阪と近鉄を乗り継ぎ、やってきたのは橿原市の今井。かつて「大和の金は今井に七分」といわれるほど栄えた商人の町です。江戸時代には独自の紙幣まで発行していたのだとか。そう聞くとすごい財力ですね。



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ここは酒屋さん。「金の虫干し玄関まで」と噂された町も、大正時代に鉄道路線から外されて以降は衰退し、今ではひっそりした佇まいをみせるのみですが、だからこそこの貴重な町並みが残ったのではないでしょうか。町全体が時代劇で使えそうです。



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町並みの外れにある春日神社。藤原氏氏神を祀っているそうですが、もともとはここにあった常福寺という大きなお寺の中にあったのだとか。明治の廃仏毀釈でお寺は廃寺になり、神仏分離されたそう。奈良ではどうしてもそういう歴史をよく耳にしますね。



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ここにある絵馬がすごい。おそらく江戸時代のものから、平成30年のものまでずっと歴史が受け継がれている。こういう本来の絵馬を見たのは初めてなので、ちょっと感動。



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むかしの絵馬をみると、中国の逸話や軍記物語(太平記?)があるかと思えば、官軍の絵馬まであって、カラフルだし、見ていて面白いですね。




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今井は今まで訪れたなかで圧倒的に一番きれいに町並みが残っている町なのですが、どうしてもこう、知名度が今ひとつだし、活気がないのが難点。


私みたいに町並みだけを見てお腹いっぱいになる人間はいいですけど、おしゃれな町家カフェでもないと今の人は来ないんだろうなぁ。もったいないから行政がもっとプッシュして、国内外の人にPRしてほしいです。



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八木の札の辻は、かつて高札場があった場所。難波津から藤原京を結ぶ官道と平城京朱雀大路を結ぶ道路の交差点に位置し、大昔から栄えました。ここに江戸時代の旅籠が残っています。今は橿原市教育委員会のものになっていて、入場無料。



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まるで東海道中膝栗毛の世界で、時代錯誤しそう。



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お次は近鉄急行で3駅行った長谷寺へ。



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想像以上に山の中でびっくり。しかもお寺は一度谷底へ下って、再度向かいの山の斜面を登ったところにあるとのこと。今は季節いいから、ちょうどいい運動ぐらいに思えるけど、夏は暑くて大変そうだなぁ。



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本堂に登る回廊がすばらしい。大晦日は松明でライトアップするのだとか。一度来てみたい。さぞかし幻想的なことでしょう。



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見頃はもう少しあとかもしれないけれど、色とりどりで、これはこれでよい。



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まずは五重塔へ。ひたすら階段を上るのだけれど、綺麗だから苦にならない。



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ごく自然な感じに色づく山肌と、五重塔の組み合わせがいい。



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続いては国宝の本堂へ。清水の舞台のように、建物が斜面にせり出しています。



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色づく山村の秋。いい眺めです。



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さきほどの五重塔も見えます。しかし秋の夜長とはいうけれど、15時ぐらいに斜陽になるの、ちょっと1日がもったいないと感じる。気がついたら夕暮れだもの。



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摂社の紅葉が綺麗でした。



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そして本堂の中へ。さすが有名とあって、参拝客は多かったけれど、みなさん譲り合って気持ちよく参拝できました。



寺宝の観音様にご挨拶。今昔物語の中でも有名な「藁しべ長者」に出てくる仏様です。素晴らしいの一言でした。本当に端正な顔立ちで美しかった。


写真撮影禁止なのを言葉で補おうとしても、語彙力乏しいので、これ以上は恥ずかしいから辞めますが、ここと宇治の平等院の観音様は入場料払っても拝む価値があります。


卒論で殺伐としていた私の心も癒やされました。



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今回は時間的にこれにて奈良旅行はおしまい。帰りは夕日と追いかけっこして家路に就きました。近鉄は3日間全線乗り放題で3000円とかいう格安切符を売り出しているそうなので、また奈良方面に遠出したいですね。天川村とかも興味あるのですが、さすがに泊まらないとむりかな?奈良も知れば知るほど奥深そうです。


最後までおつきあい頂きありがとうございました。ではでは。