長かった奄美群島の旅もあともう少し。いよいよ最後の島(となるはずだった)喜界島へ向かいます。ところが知名の奄美海運事務所で券を発券しに行くと・・
「今日は欠航なるかもよ~」
ええ??
しかも入港まで2時間を切っているのに、どこの港に接岸するかも波次第で分からないとのこと。もうここまで来ると都会の常識が通用しない世界。焦りはしたけど、ちょっとそれを楽しむ自分もいる(こんな悠長に構えないと奄美は旅行できない。実際このあと我々は台風で4日間取り残されます)。
それより運転手さんと奄美海運のおばさんが話すと、一言もシマコトバ分からない。もうこれ外国語やろ。「私たちがヤマトから来た」って言っているのは分かったが(笑)
とりあえず船が接岸する予定の港にいかなきゃ。いくら小さな島とはいえ和泊と知名は車で30分ぐらい離れているし、さらに行きに使った伊延港なんて山越えしなければいけない!そもそも路線バスはこの時間走っていないし。結局、奄美海運のお兄さんが接岸できるか各港の様子を見に行くというので車に同乗させてくださることになりました。
「私は高校出てから東京で働いていたんですけど、28の時にふと思い立って自転車でここまで帰ってきたんですよ」
この方、なんと東京から鹿児島まで自転車で移動し、そこから船で島まで帰ってきて奄美海運に就職したとのこと。すごいな~。まぁ確かにこんな綺麗な島で生まれ育ったら都会の喧噪なんて嫌になるわ。私もここで生まれ育ちたかったぞ。
和泊までやって来ましたが、ちょっと波が高い。「伊延の方も行ってみましょうか」とお兄さん。台風が接近しているので伊延港もやはりすごい波。ところがお兄さんは海を見て
「じゃあここに決定します」お兄さんの裁量、すごいな。
思いがけず、行きも帰りも臨時の伊延港を利用することになってしまいました。しかしこのお兄さんがいなかったら我々はどうなったのか。とても徒歩&バスでたどり着ける距離にはなく、間違いなく島に取り残されたことでしょう。
島から運び出されるコンテナや家畜も港変更で一気に集められます。静かな港は一気に賑わい出しました。やがて遠くから汽笛が聞えます。
乗る船は鹿児島ー喜界島ー奄美大島ー沖永良部島を結ぶフェリーきかい。奄美海運とマルエフェリーの船で、なんと3000トンしかないとのこと。昔ながらの貨客船です。
波が凄いけど大丈夫なのか?とヒヤヒヤしていましたが無事接岸。
マイナー航路なので我々貸し切りです。
こちらは毎度おなじみの名前だけのレストラン。
というわけでなんとか喜界島に行けることになりました。ここから7時間の船旅です。
遙か遠くに徳之島が見えてきました。とはいってもすごい荒波でそれどころではありません。7時間ほとんどずっと寝ていました。
奄美大島近海でやっと日没へ。
そして船は奄美大島に寄港します。この後まさかこの島に行くことになるとは到底思ってもみなかったわけですが。
いよいよ22時頃に喜界島に到着。ここから喜界島の旅が始まります。